辻坂 文子

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Ayako Tsujisaka

コートジボワール在住 

人道・開発プログラムマネージャー

 私が享子さんと知り合ったのは、西アフリカの国、ベナンでのことです。当時、私は日本政府のボランティア事業の隊員として、ベナンの村落部で生活していました。

 享子さんは、ご主人の赴任に伴って滞在されていましたが、以前は20代の若さで開発の専門家として、タイやラオスで、現地の言語を使って農村部の女性の手仕事を支える仕事をされていたと聞いて、同世代としてとても刺激を受けました。

 そうしたキャリアの面でもさることながら、私が享子さんから最も大きな影響を受けたのは、「ローカルなもの」に価値を見出す目です。

 国際協力・援助の世界では、とかく「グローバルスタンダード」が正しくて、「ローカルなこと」には価値がないと見なされがちです。加えて、野菜と言えば年中小さなトマト、オクラ、玉ねぎくらいしか売っていなくて、道路も舗装されていないような村に暮らしていると、物の溢れる日本から来た身には「何もない」と見えてしまいます。

 そんな中、「ベナンには苛性ソーダを使わない伝統的な素晴らしい石鹸作りがある」と享子さんから聞き、自分の住んでいた村でもそんな石鹸作りをしている女性たちがいることを知りました。その石鹸作りを一緒に見学したりする中で、自分の住んでいた村を「何もない」と見るか、宝の山と見るかは、その人の見方次第なんだと気づきました。

 ベナンの後、南スーダン、コンゴ、フィリピン、スウェーデンなど、様々な国で暮らしましたが、享子さんの影響で、どんな国でもそこにあるものに価値を見出し、生活を楽しめるようになりました。今住んでいるコートジボワールでも、これまで知らなかったアフリカの食材を試したり、暑い気候を活かして、ベランダ菜園を楽しんだりしています。

 貧富の差が激しく、平和とは言えない国で生活する中で、激しい不公正を日常的に目のあたりにし、この現実を少しでも変えられるのかと、無力感を感じることもしばしばです。が、個々人が自分を大切にし、一人一人の子どもが愛される社会を作ることが平和につながると考えて活動されている享子さんの姿を見ると、とても共感し、たとえ大海の一滴であっても、自分のできることをし続けようという気持ちになります。

 超ポジティブで、一期一会を大切にされる享子さんなので、講座を受講される方の一人一人が、とてもポジティブなパワーを受けられることと思います。享子さんの世界観に同感して、現実を変えようと思われる方が一人でも多くいらっしゃることを願ってやみません。